小さな季節の断片を手のひらに


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この苔玉はアメリカツタの優しい葉色と足元に寄り添う斑入りススキ(ハクリュウ系)を組み合わせたtachiokaya工房の初夏モデルです。

手のひらにのる小さな存在ながらそこに宿る景色はまるで森の片隅。葉先には露がきらめき苔はふっくら?と水を抱え静かに季節を語ってくれます。


「アートのようで自然そのもの」

そんな言葉がぴったりな苔玉。忙しない日々の中に一滴のやすらぎを届けてくれます。



 小さな季節の断片を手のひらに


この苔玉はアメリカツタの優しい葉色と足元に寄り添う斑入りススキ(ハクリュウ系)を組み合わせたtachiokaya工房の初夏モデルです。
標高の高さや特殊な環境を利用して旬をずらす。

手のひらにのる小さな存在ながらそこに宿る景色はまるで森の片隅。葉先には露がきらめき苔はふっくらと水を抱え静かに季節を語ってくれます。


「アートのようで自然そのもの」

そんな言葉がぴったりな苔玉。忙しない日々の中に一滴のやすらぎを届けてくれます。



この作品に込めた植物たちの個性


■ アメリカツタ(パルテノシッサス)


つややかな葉と時折見せるほんのり紅い縁取り。春から夏へ向けてグラデーションを描くその姿はまるで時の流れを視覚化したかのようです。剪定次第で姿を自在に整えることができるのも魅力。


■ 斑入りススキ(おそらくハクリュウ)


光を受けると葉の縞模様が明るく浮かび上がり風にそよぐ姿も爽やか。苔玉全体に動きと軽やかさをもたらしてくれます。


■ 苔(ホソバオキナゴケなど)


水をたっぷり含んだ苔はしっとりとした質感が命。tachiokayaでは天然の苔を一株一株手で張り込み長く美しく保てるよう仕立てています。


■ アメリカツタの秘密:紅葉する理由と名前の由来


苔玉に仕立てられたアメリカツタの美しさはその紅葉にあります。でもどうしてこの植物はここまで鮮やかに色づくのでしょうか? そして「アメリカツタ」とはどんな植物なのでしょう?


◎ 紅葉の理由は「アントシアニン」という自然の魔法


アメリカツタは、学名で「Parthenocissus quinquefolia(パルテノシッサス・クインクエフォリア)」と呼ばれる落葉性のつる植物です。北米原産で日本でも園芸用として広く親しまれています。


紅葉のメカニズムは葉の中に含まれるアントシアニンという色素が関係しています。

気温が下がって日照時間が短くなると葉の中のクロロフィル(緑色の色素)が減少しアントシアニンの赤〜紫系の色が浮かび上がってくるのです。


特にアメリカツタはこのアントシアニンの生成量が多く気温の下がる秋には一気に燃えるような紅に染まるのが特徴。

苔玉として仕立てることでその変化を間近でしかも長期間楽しむことができます。


◎ 「バージニアクリーパー」ってどういう意味?


アメリカツタの英名は「Virginia creeper(バージニア・クリーパー)」。

これは「バージニア州に多く自生する、這い上がる植物」という意味。creeperは「這うもの」「よじ登るもの」を指します。


ちなみに学名の“quinquefolia”は「5つの葉」という意味で葉が放 射状に5枚に分かれているのが特徴的です。

(※幼苗の段階では3枚葉のこともありますが生育とともに5枚に整っていきます)


つまり「アメリカツタ」という呼び名は見た目の印象から来た俗称で、

実際は“這い上がる北米の五葉つる植物”というしっかりした背景があるんです。


◎ 観賞用だけじゃない!野鳥や昆虫にも好まれる植物


さらに面白いのはアメリカツタの実。秋になると小さな黒紫色の実をつけることがありこれは野鳥たちの貴重な食料源にもなっています。


また葉の裏側には昆虫がよく集まり小さな自然環境を形成してくれます。苔玉として飾ることで
自然の循環を部屋の中に取り入れるような感覚を楽しむこともできるでしょう。


このようにアメリカツタは単なる「紅葉がきれいな植物」ではなく名前・紅葉の仕組み・自然界での役割と知れば知るほど奥が深い存在です。


苔玉として育てることでそんな植物の物語を“手のひらの上で”感じてみてはいかがでしょうか?



苔玉のある暮らし ― 飾る場所と育て方


■ 窓辺の光を感じる場所に


直射日光は避けやわらかい明るさの中で飾ってあげましょう。アメリカツタの葉色は光によって変化を見せ毎朝違った表情に気づくことでしょう。


■ 水やりは「声を聴くように」


苔玉を持ち上げて軽くなっていたら水のサイン。バケツに沈めて苔がぷくぷくと気泡を出す様子はまるで小さな生き物が呼吸しているよう。

植物と「対話する」気持ちで育ててみてください。


■ 季節に応じたお手入れ


夏場は涼しい場所へ冬は乾燥を避けて。葉が伸びすぎたら剪定してバランスを整えるのも大切な時間です。



tachiokaya流「苔玉づくり」の哲学


私たちが大切にしているのは「自然を形にする」こと。見た目の美しさだけでなく日々変化し生きているものとして苔玉を考えています。


「流行のインテリア」ではなく「長く寄り添える暮らしの一部」として苔玉を育ててほしい。


そのためtachiokayaでは以下のようなこだわりがあります:

素材は農薬不使用の山採り苔や、自然と共存できる環境で育てた苗木を使用

苔玉の根の状態を丁寧に整え、枯れにくい構造に

工房ごとに植物の選定と苔の張り方を変えて、すべて一点ものとして制作



都市の中で「自然の時間」を取り戻す


忙しく過ごす現代においてほんの少し「育てる」「触れる」時間があるだけで心が穏やかになります。


tachiokayaでは東京・神奈川・山梨で定期的にワークショップじゃらん体験教室を開催。土に触れる感覚、苔の香り、植物を「選ぶ」時間…

どれも都市ではなかなか得られない感覚です。

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特に最近では「何年も植物に触れていなかった方」が初めて苔玉づくりに挑戦し「涙が出るほど癒された」と話してくださることもあります。




購入・体験のご案内


苔玉はtachiokaya工房にて販売中。数量限定のためお早めにどうぞ。



最後に:自然のリズムを感じる暮らしを


アメリカツタと斑入りススキの苔玉は小さな森の断片。けれどその中には驚くほど豊かな世界が詰まっています。


日々の中にそっと「自然のリズム」を取り入れたい方へ。

忙しい日常のすき間に苔玉が寄り添えますように。



THANKS

画像:tmedia
記事:tmedia(tachiokayaメディア)
協力:太刀岡昇氏