夏の甲子園決勝!仙台育英vs下関国際
画像:PAKUTASO
今まさに熱戦を繰り広げている夏の甲子園決勝仙台育英vs下関国際。今大会、筆者は都道府県大会から注目していました。身内に現役の高校生の当事者がいたからです。熱くなります…
一戦一戦見ていると、前の試合でコールド勝ちした高校が次の試合ではコールド負けを喫するという弱肉強食のトーナメント。そして本大会へ駒を進めた強豪校も全国の舞台で大量得失点差で勝敗がつくという厳しい現実。そんな中で挑み続ける高校生たちには感動を禁じえません。陳腐なもの言いで恐縮ですが「感動をありがとう!」の一心です。
決勝が終わってから記事にしようかとも思ったのですが、決勝にまで残った両校に対して敬意を表し決着する前になんとか投稿しようと思い本記事の謹製に至ります。
甲子園を演出するもうひとつの存在である植物とそれを支える職人さんについてです。植物を扱う苔玉の太刀岡屋的視点でお送りします。
それでは参ります!!
甲子園球場を覆う「蔦(ツタ)」の秘密!緑のカーテンとは?
画像:PAKUTASO
甲子園球場は「ツタ」の鮮やかな緑に覆われています。太陽を浴びた茎の葉も生命力に満ち満ちていて多くの野球ファンを迎えてくれています。
それが「緑のカーテン」
緑のカーテンの正体は、1924年の球場設立時に植栽された「ツタ」植物の継承者たちです。かつて甲子園球場の外壁を飾っていた400株を超えるツタは2006年に始まった甲子園球場のリニューアルに伴いすべて伐採の憂き目に合いました。
それと並行して2000年、「甲子園20世紀メモリアル事業」の一環として全国の高校野球連盟の加盟校4170校にツタの種子が配布されていました。そして各地・各校で育てられたツタのうち生育状態の良い苗が233校から選抜され、2008年から「ツタの里帰り」と称して再植樹されたもの、それが現在の「緑のカーテン」の正体であり物語です。実はここでも「もうひとつの選抜」が行われていたというわけです。
筆者もこの「ツタの物語」をニュースで接したとき、子供ながらに熱いモノを感じた記憶があります。野球少年でしたからね。しかしこういう企画を発想する方には本当に脱帽です。すごいですよね。物語を生み出し、参加する意義も十分すぎる企画というのは素晴らしいと思います。
球児たちを支えるもうひとつの存在とは?
毎年繰り広げられる熱戦。その2週間のあいだ球児たちや観客が去った夕闇が訪れた球場では、そこからひっそりと仕事を始める人達の姿があります。
阪神園芸株式会社のスタッフの皆様です。
球場内の芝やグラウンドの管理ももちろんですが、風物詩のひとつとなっている「ツタの壁」の管理業務も忘れてはいけません。
球場のリニューアル前は大きな手釜で豪快に手入れをしていたそうですが現在では「木バサミ」で壁に這うツタを一本一本丁寧に手入れをされています。スゴイ!
枯れた太い茎には剪定バサミを用いたりと場所や環境に合わせた道具のチョイスで使い分けを行っています。
当工房でも同じですが道具の選択というのはとても重要で、一本一本のハサミ入れがプロの見せ所である自負のもと作業にあたります。過去記事でも同業の植物を扱うプロの方たちへの敬意を記事にしましたが
これが出来るかどうかがプロとアマの違いではないのかと痛感しています。素晴らしい事です!
そんな手間を惜しまない職人さんたちの手によって、私達や球児たちが目にする「緑のカーテン」は守られているのです。感謝です!
苔玉とツタ・ツル植物の相性
苔玉にもツタ植物を用います。また、「ツル植物」も見た目にも相性の良い組み合わせであると言えます。
少しだけ見て見ましょう。
「岩ガラミ」画像:太刀岡屋BASE店
「アケビ」画像:太刀岡屋BASE店
初雪カズラに黄金テイカカズラ、イワガラミやアケビなどなどたくさんのツル植物は、姿に流れを作る事で和風の左右非対称の苔玉作品を作る事が出来ます。
画像でご紹介した苔玉も当工房の職人たちが一本一本ハサミ入れを行い、数ヶ月〜数年育成する事で鑑賞していただけるような作品を造りあげていきます。とても地道で手間のかかる事ですが、やってみると成長を見届ける楽しみの方が大きいです。ぜひご覧になって戴ければと思います。
まとめ
本記事をご覧いただきありがとうございました(´・ω・`)高校球児のみなさん、長い長い夏の戦いお疲れ様でした。
そして感動をありがとうございます!
ちなみに前述のツタの里帰りに協力した233校は、レフトスタンドの照明塔の支柱の銘版にその名が刻まれています。
機会があればご覧になっていただきたいと思います。
今回は甲子園球場を演出する植物とお仕事について記事にさせていただきました!
いかがでしたでしょうか?
ぜひコメント等でみなさまのご意見を伺えれば励みとなります!
この記事をご覧戴いた方は植物に興味を持たれた方、ふとした疑問で「なぜ?」など好奇心のある方だと思います。ありがとうございます。このブログでは苔玉や植物、季節や自然に関連する事を記事にしてお困りや調べ物にとお役に立てるサイト作りを目指しております。
今後ご質問や取り上げて欲しい事など積極的に対応していきたいと思いますのでコメントいただければとても励みとなります。よろしくお願いします!
またよろしければ他の記事もぜひ見てみてください!
ではまた次の記事でお会いしましょう。
THANKS
画像:tmedia・太刀岡屋BASE店・PAKUTASO様記事:tmedia(tachiokayaメディア)
協力:太刀岡昇氏
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