ベーシックな苔玉〈こけだま〉の作り方

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この記事ではとても簡単に出来る苔玉づくりを紹介します!自分で全て材料を揃えるのは大変だと思いがちですが、苔さえ用意できればあとは何でもつくれちゃいます。例えば「肥料ガー」とか「設置場所ガー」とか難しい事は考えずにまずは作っちゃいましょう。ですので簡単な材料と簡単な工程で作れるこけ玉作成方法をお伝えします。そして「なぜそれが必要か?」などのポイントだけは押さえていただける様に解説も入れて参ります。

なお、今回の作り方は当工房の商品用苔玉とは制作方法が違いますどなたでも簡単に手に入れやすい材料で作成することを目的としています。あしからず‥

でははじめましょう!(´・ω・`)ハジマルヨ



必要な材料と道具

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準備するモノ

・黒いミシン糸(理由あり)
・苔(なんでもOK)
・素材植物(なんでもOK)
・土(なんでもOK+ケト土30%以上)
・ハサミ(100円ショップでOK)
・ピンセット(100円ショップでOK)




基本的には植物以外100円ショップで全部そろいます。つまり400円くらいの材料費で2〜3個、その後は土とミシン糸さえあれば何個でも作れちゃいますね。苔玉作りに高い材料や道具は正直必要ありません。なぜならば使いやすさや土や水で汚しても気にならない方が思い切り作業出来ます!!
それではそれぞれ説明していきます。



・なぜ黒い糸が必要なのかの理由は、最も目立たなくなるからです。なんとなく緑の糸を選択してしまいがちですが「苔玉に緑の糸」は結構目立つんですよ(;´д`)トホホ… でも黒い糸はスッと苔に馴染んでいきます。従ってオススメは黒い糸となります。実際に苔に糸をあてて見るとわかりやすいのですが…


・苔はお庭にあるものや包みやすい「ハイゴケ」(写真のモノ)が初級者の方には簡単だと思います。よくアマゾン等で販売されている苔玉に貼られている苔です。この苔は日持ちはしませんがネット状にひとつなぎになっているので土を包みやすくなっています。ということでまずはここからはじめましょう(´・ω・`)


・そして素材植物ですが小さいサイズから始める事をオススメします。苔玉作りは10cmを超えてくると苔玉の玉部分とのバランス取りが一気に難しくなります。よくあるケースとしては土を付けすぎてずんぐりむっくりになってしまう場合があります。根を傷つけずに土玉を作るのですが植物が大きければ根は長く横に張っているモノです。イメージしすると難しいですよね。それよりも出来上がりのイメージを意識して
シンプルな作りを覚えると必ず活きてきます。その結果ツル系の植物が丈夫で加工もしやすい上、ホームセンター等で安価に販売されているのでオススメです!(初雪カズラ・テイカカズラなど)簡単に言えば丈夫でスクスクと成長しやすい植物が吉となります。


・土に関して言えば使おうと思えば何でも良いです。ただし初心者の方は土の玉を作る段階で簡単に出来るようケト土を混ぜると粘度がうまれ楽に作れます!また保湿にも重要なメリットがありますので必須級です。一方で本来は職人が苔玉を作るにあたり細かいセッティングを行うのであれば相当なパターンのプリセットが必要となります。つまり植物に合わせたブレンドが必要になります。ですが今回は「簡単に作る!」がテーマですので… 最近は100円ショップにも並んでたりするので入手も簡単です。100均で手に入る簡単な素材でたくさん可愛い苔玉を作っちゃいましょう!!


・ハサミとピンセットですが水に濡れる前提ですので安いモノで十分です。つまり100円ショップのモノでも簡単にはサビません。以外と丈夫です。それに加えて抗菌仕様のハサミも増えていますので。ガーデニングがお好きな方はお手元の専用のものをお使い下さい。前段でも書きましたが使いやすさの方が重要です。伸び伸びとノンストレスで楽しく苔玉を作る!なんていかかがですか?従って安くて丈夫の道具の方が断然オススメです(・∀・)イイネ!!






苔玉作り5手順 

✨植物の準備



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では始めましょう!
植物をポットや鉢から取り出し付いている土をなるべく払い落とします。実はポットや鉢の土には草の種が含まれている事が多々あります。完成した苔玉の草むしりするのも手間ですよね💧ですのでしっかり土を落とす事をおすすめします。無理に水洗いまでしなくて大丈夫です。なぜならばあまりやりすぎると根が傷んでしまいますのでほどほどでもOKです!つまり後々管理がラクになるという事ですね。



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(´・ω・`)ほじほじ…

(´・ω・`)ほじほじ…

(´・ω・`)ほじほじ…


ここではモミジを使っていますがどの植物でも一緒です。和の植物だけでなく洋の植物でも大丈夫です。一方、とてもかわいいのですが球根系の植物は苔玉にはおすすめ出来ません( ;∀;)これには 理由もあるのですが専門的になるのでワークショップでお伝えする事にしています。
とにかく根は傷めない様に気をつけましょう!



✨土を丸める

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ここで完成した際の苔玉をイメージしながら土を丸めていきます。とりわけ植物の高さや幅と玉の大きさのバランスを考えて土を付けていくことが重要となります。ココが苔玉つくりの楽しいところです。ただ丸めるのではなく、完成した姿を想像しながら楽しめるパートとなります。ということで存分に楽しみましょう!
また根が傷めないようにギュウギュウ力をいれないように気を付けましょう。優しくふんわりがポイントです。ここで真ん丸を意識しすぎてしめつけてしまうと完成後に葉っぱがしおれてしまったり枯れてしまったりと結果が目に見えて現れはじめます。ふんわり苔玉を目指しましょう!



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この植物のサイズだとこのくらいかな…
「ん?小さすぎない?」と思われた方、大正解です!苔玉師としてのセンスありです。そうです。完成した時のイメージをするとバランスが悪く感じます。しかしこれで良いのです。なぜならばこの上に苔を貼っていく事になるからです。ふんわりとしたかわいい苔玉を作るならば土玉はひとまわり小さくする事が重要なポイントとなります!
(´・ω・`)フンワリ〜



✨苔貼り
 

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今回はこの苔で作っています。「ハイゴケ」です。最も入手しやすく苔がネット状になっていて土がくずれにくいので初級者にとって苔玉作りには向いています。茶色い部分(土も含めて)が分厚すぎる場合はハサミで薄くカットしてしまいましょう。ふんわり苔玉ではなくモコモコ苔玉になってしまします(笑)カットしすぎてもいけません。 苔がバラバラになってしまいます。つまりほどほどが重要です。




Wikipedia

この記事を見ていただいている方のお住まいの近くにありますでしょうか?もし無いという方はネット上でも販売されていますので入手はしやすくなっています。しかしながら高額で販売されている商品にはお気をつけ下さい!本来そこまで高い価値はありませんのでほどよい価格帯のものを選ぶとお得です。苔玉は気楽に楽しくつくりたいですからね。緊張とストレスは必要ありません!



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前段でご紹介した黒いミシン糸で巻いていきます。板に巻かれているのは気にしないでください(笑)当工房にて販売している苔玉制作キットで作っている画像となりますので。気になる方はお問い合わせ下さい。

苔貼りのポイントとしては土玉を「ふんわり」と包んで「しっかり」と糸を巻いていく事です。同じ方向に何度も糸を当てるとそこからは苔が生育せず黒い線が残る事になります。イメージとしては常に違う角度で縦横無尽に糸を渡していく感じです。一方で苔の底の茶色い部分が表面に出ないようにしっかりと埋め込み緑で揃える事も大切ですね。

この作業でしっかり苔を貼り付けると水やりで土が流れ出る事を極力防げて「崩れ」の可能性を低くする事ができます。この部分が出来ていない苔玉は苔が枯れやすく、また崩れやすくなっています。いくつか苔玉を作れば販売されている商品でも目利きがしやすくなりますので良い苔玉選びができるようになります。そうすればすぐに枯らして…なんてストレスからも開放されるはずです!太刀岡屋はそんな苔玉好きの皆様を全力で応援します!!



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最後は糸をピンセットで苔玉にプスッと入れ込んで終了です。



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「プスッ」

ここで糸の止めで神経質に完璧を求めてはいけません。取れてしまったり外れてしまった場合はまた同じことをすればいいだけです。なぜならばグイグイやりすぎれば苔を痛める事となり、最も恐れるべきは植物の根を直接痛めてしまう大きな原因となりかねないからです。苔玉にとってご法度な行為となってしまいます。

また、ここで完成した苔玉をギュウギュウと手で丸めるのもやめたほうが良いです。この手のYouTubeを見ているとよく見かける行為ですが我々からすると全く意味がなく、むしろマイナスしかありません。苔はふんわり作るのが鑑賞時や後の生育を視野に入れると最上と考えるからです。難しい事を書いてしまいましたが「苔と根が傷む」という事です。いくつも苔玉を作ってきた中での教訓です。ちなみに当工房では1週間で約150点のレンタル・サブスク商品と約50点の展示販売商品を制作・補修・リビルドをして納品しています。まとめると業務としてのマニュアル上の観点から上記の事を強く推奨致します。

苔玉法度:苔は「ふんわり」と貼るのがよい!です。




✨仕上げ

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さあ仕上げはハサミで飛び出ている苔をカットして形を調整していきます。あまり短くカットしすぎると逆に茶色くなってしまいますので程々が良いでしょう。特に今回使用した苔はふんわりがポイントとなりますのでなおさらですね。

そして鑑賞してしばらすると苔が成長してボサボサになった部分をカットしてあげる必要があります。この工程を楽しみとしてメンテナンスしてあげて下さい!我が子を愛でるように「あれ?髪のびたね」てな感じで苔玉をチョキチョキしてあげると愛着もひとしおかと思います。



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(´・ω・`)チョキチョキ…


(´・ω・`)チョキチョキ…


(´・ω・`)チョキチョキ…






✨完成!

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完成しました!

お疲れ様でした。ついに苔玉の完成です!あとはお好みで枝葉の剪定をしてみましょう。基本的な剪定は過去記事で紹介しています。よろしければご覧になってみてください。



やはり苔玉もそうですが枝や葉をスッキリさせると空間が生まれて見た目がグッと変わります!またこれが一番の醍醐味なのかもしれませんね。結局、卓上で疑似盆栽が出来ちゃいます。オススメです。カットする上で苔玉にカビが繁殖しないように対策する方法もありますがそれはワークショップでお伝えしています。‥いずれ記事にしようかな?
以上で基本的な苔玉作りとなります。簡単に入手出来る植物や素材でぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか?







おまけ

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お試しで工房内のアプローチを整備中…いつまで緑が持つかな?
乾燥に弱い苔ですので細やかな水やりが要求されそうです(;´д`)トホホ…





まとめ

本記事をご覧いただきありがとうございました(´・ω・`)
なるべく簡単に…と意識したつもりですが、その結果がこちらの記事です。
どうしても書き始めると情熱が止まらずにポイントを詰め込みすぎてしまいます。動画だったらもっとスッキリ説明できるのでしょうか?わかりませんが(笑)もし質問や誤字脱字があればコメントやメッセージでお知らせ下さい。

ゆっくりと苔玉作りの楽しさやポイントをお伝えできたら良いのですが…

ぜひ工房に遊びに来ていただきたいと思います!!!!!

この記事にたどり着かれた方はきっと通販やネットショップで苔玉に興味を持たれたのではないでしょうか?またいろいろな苔玉のショップやワークショップも開催されているようです。ご自身で作ってみる手もありますよ、とお知らせしてみたく記事にしてみました。

よろしければ他の記事もぜひ見てみてください!
ではまた次の記事で…(´・ω・`)
 




 

THANKS

画像:tmedia
記事:tmedia(tachiokayaメディア)
協力:太刀岡昇氏